
大好きな音楽番組
「EIGHT-JAM (旧 関ジャム 完全燃SHOW)」(日曜日 よる11:00~、たまに11:30~)のまとめ記事です。
「EIGHT-JAM」は、プロミュージシャンの方々が、
音楽理論、音楽の奥深さなどを楽しめて学べるので、とても大好きな番組です。
こちらでは、メモ程度に残させていただいております。
気軽に、楽しんでいただければ嬉しいです。
アーティストゲスト
アーティストゲスト
・☆Taku Takahashi(m-flo)
・いしわたり淳治
・吉澤嘉代子
・tofubeats
✅☆Taku Takahashi(m-flo)
宇多田ヒカル「Gold~また逢う日まで~」のリミックスVerを手がける。
今回、本人と共同プロデュース「traveling」も再レコーディング。
✅吉澤嘉代子
蔦谷好位置、いしわたり淳治が2017年マイベスト10曲に
「残ってる」を選出。小学生から宇多田の大ファン!
✅tofubeats
宇多田ヒカルのカバーアルバム
「宇多田ヒカルのうた -13組の音楽家による13のの解釈について-」参加
ファン枠(笑)
宇多田ヒカル_初のベストアルバム「SCIENCE FICTION」

✅DISC1
🎵First Love(1999年)
1stアルバム「First Love」の売上は769万枚。
アルバムセールス日本歴代1位を記録。
🎵花束を君に(2016年)
NHK連続テレビ小説「とと姉ちゃん」主題歌。
🎵One Last Kiss(2021年)
「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」テーマソング。
🎵あなた(2017年)
映画「DESTINY鎌倉ものがたり」主題歌。
🎵SAKURAドロップス(2002年)
テレビドラマ「First Love」主題歌。
🎵Flavor Of Life -Ballad Version-(2007年)
ドラマ「花より男子2(リターンズ)」イメージソング。
✅DISC2
🎵Automatic(1998年)
15歳で制作したデビュー曲。売上は200万枚超え。
2022年O.A.「令和に活躍する若手アーティストが選ぶ最強平成ソングベスト30」で1位を獲得!
(Awesome City Club atagiさんコメント)
今でも色あせない楽曲にいかに現代に当た他影響が大きいのかを感じます。
🎵Beautiful World(2007年)
「ヱヴァンゲリオン新劇場版:序」テーマソング。
🎵BADモード(2022年)
イギリスのDJサム・シェパードとの共同プロデュース。
🎵二時間だけのバカンス featuring 椎名林檎(2016年)
椎名林檎とのコラボ曲。MVは児玉裕一が監督。
🎵traveling(Re-Recording)(2024年)
☆Taku Takahashiとの共同プロデュース。
✅☆Taku Takahashiさんコメント
僕は「Gold」という曲で、リミックスを作る時に、
普通リミックス作る時は、作って返すっていうだけなんですけど、
色々となんかやり取りをさせてもらって、一緒に作る感じが楽しくて。
それのご縁もあっては今回の「traveling」の新しいレコーディングに参加させてもらいました。
宇多田ヒカルに質問

ベストアルバム「SCIENCE FICTION」_リリースした経緯や想いは?
✅宇多田ヒカルさん回答
25周年っていうのが大きいですね、
今まであんまりベスト盤の意味がよくわからなかったんですけど、
自分の25周年だよでなくて、そこまで運んでくれたというか、
一緒に歩んでくれた人たちとか と、応援してくれたんだと、
何か一緒に祝うことなんだなって思ったらすごくいいことだし、
今やらなかったら次、50周年ぐらいまでやろうと思わないだろうから、
もうここで思いっきりやろうって思いました。
キレイですよね、25ってこう、4分の1だし、5の二乗だったりとか、なんかいいですね。
点で並べると▢(四角)にもなるのもいい

ベストアルバム「SCIENCE FICTION」_なぜこのタイトルに?
✅宇多田ヒカルさん回答
15歳で日本でデビューした時から、 それこそ「First Love」とか世に出た後も、
友達とか、前の学校の子たちとかがあの曲は誰のことなのか、
みんなで噂しているあいつのことなの。とか、
誰のことなのかと聞かれて、そこまで、なんかあったことをただそのまま記事、
新聞記事みたいに日記みたいに書いてるわけじゃないし、
曲によるけど、あれは別に誰のことでもないし、もうちょっと大きい、
別れとか喪失のことを書いてたのと、若かったから、大きい直接的な、
みんながそこから想像するような体験は無かったんだろうけど、
それに近い感情をなんかで感じてたのが曲になっていて、それは 説明するのも難しくて、
ノンフィクションのルポルタージュでもない
かと言って、ただの作り話でもないし、フィクションでもノンフィクションでもないの。
どう言ったらいいんだろうってモヤモヤっとしていた。
今回のベスト版のタイトルを考えてる時に、サイエンスフィクションって私1番好きなジャンルで、
小説でも映画でもずっと大好きだったし、科学と文学っていうのも1番好きな分野の2つだし、
なんかしっくりくるなと思って。今ある現実とちょっとだけ先に見える未来を
行き来する感じあるじゃないですか。サイエンスフィクションって…
今のここだけじゃない、時代的に先なのか過去なのか、 言葉じゃないどこかで起きてる。
連れていかれる私も行ってる。みたいな感じを音楽を通して感じてもらえたらいいなって
いつも思ってたので…
かっこいいですよね。サイエンスフィクションって…。
自分で思いついたらすごいタイトル思いついちゃった。
ベストアルバム「SCIENCE FICTION」_再録「traveling」☆Taku Takahashiにどんなオファーを?

✅宇多田ヒカルさん回答
他の曲に関しては、最近その一緒に共同プロデュースをする、
コラボレーションする方たちっていうのは、イギリスもそうだったりだったんですけど、
「traveling」に関しては、 曲のコンテクスト(背景)としてどんな感じで曲が出たかとか、
平家物語の引用とかもありますし、なんか日本人の人のそういうのが全部、歌詞の感じとか全部
わかってくれて、思い入れってくれてる人だったら、絶対素敵なことができるのかなと思って、
☆Taku Takahashiさんにお願いしました
電話で話して、私がこの曲はこうっていうのは、オリジナルでアレンジをもうやってるので、
そこからどう変えたい。っていうのがあんまりなくて、はっきりしたイメージが伝えられなかった。
ただやっぱりお祝いじゃないけど、ただ明るいのでもダメで、その根底にあるダークな部分が
不安を掻き分けるように突き進んでく感じとか、そういうちょっとクールなドライブ感は
キープしたいけど、でもそれをなんか「ええじゃないか」ではないけど、
日本のなんか「踊らにゃ損損」みたいな、なんかその不安とか、
怖いことを明るく吹き飛ばそうとする健気さみたいなものはキープしたいって話をした。
「じゃあ、BPM(テンポ)上げるのはどう?」
ちょっとそれは思ってたんですよね。ちょっとあげてもいいと思いますと…

具体的な話はそれぐらいしかしなくて、後はひたすらこんなんどう。っていう、
なんか素材バーンっていっぱい送ってくれて、それを私がDAW(音楽ソフト)で
1個ずつまたそれを並べてみて、これはここでこう使おうとか、久しぶりに
そういうなんかありました。
人からこれを見てもらってやるっていうの初めてかな。
それいつもだって自分で作ったものでやってるとこなんで、初めてかもしれないですけど、
それが楽しかったです。
✅☆Taku Takahashiさんコメント
すごく相手のことを配慮してくれる方です。
「ここをもう少しこうしたい…」という時に、
「ここまで頑張ってくれてるけど、すごく良いけど…
ワタシ的にはこうしたいんだよね」という言い方を…
(宇多田ヒカルさん)
なんか「気遣ってくれてるよね」って言われて、そういうこと言われると、
でも余計に気を遣わないように気を遣っちゃうみたいな(笑)
✅☆Taku Takahashiさんコメント(その2)
今回「traveling」作る時どんな感じにしようかって話してて。
その「お祝い」、英語でclelbratoryて言ってたんですけど、
お祝いムードって言われて。そのお祝いムードっていうキーワードが出た時に、
僕、なんかちょっと、なんか、「 わーい!」みたいな感じにはなっちゃって。
しかも、なんかもうノリ気満々に2つくらいデモ作って、お祝いムードの曲を送ったら、
僕が勘違いしていて「traveling」の久しぶりに作るお祝いムードという
「traveling」の解釈をちゃんと紹介しなきゃいけない。
そりゃそうだよなって。なんか、「traveling」が、なんか有頂天にハッピーになってたらだめ。
(村上さん)
クリエイターのやり取りとしては、tofubeatsさんはいかがでした?
(tofubeatsさん)
最初に出して、全然違うんだよねみたいな、結構あるあるで、
それが相手が、宇多田さんと思うと心がキュッとなります(笑)
宇多田ヒカルのこの曲を聴いて!

光(2002年)_☆Taku Takahashiさん、tofubeatsさんセレクト
2002年
1カットでのMVも話題となった曲!
🎵「光」
✅PS2用ゲームソフト「キングダムハーツ」テーマソング。
2017年発売のリミックス版は全米iTunesチャート2位。
✅☆Taku Takahashiさんコメント
この曲のメロディーは本当に美しいです。
絶妙な旋律の中でも際立つ美しさを持っています。
その美しさは、サビのメロディーの
「ド」(曲のキーの基準となるルート音)の使い方。
各フレーズの終わりが安心感を与える
「ド」の音で綺麗に解決されている素晴らしいメロディーライン。
僕が思う美しいメロディーの原理がすごく詰まっている曲です。

✅tofubeatsさんコメント
「光」や「愛」など、いわゆる平易な言葉やモチーフを大胆に、
しかもいやらしくなく新鮮に聴かせるのはめちゃくちゃ難しいのですが、
「光を撃て」「運命の仮面をとれ」みたいな劇場的な言葉の使い方など、
歌詞のデリバリーによってめちゃくちゃドラマチックに聴かせる本当にすごい曲です。
究極の美しいメロディーっていドレミファソラシドだと思うんですよ。
ドで始まって、レミファソって、それでラで不安定になって、シで解決したくなって、
それでドにまた戻ると。
この曲はbフラットの曲なんですけど。bフラットを「ド」に置くようにして。

「ラ」の不安で始まり、さっき「ド」で終わるって言ったじゃないですか。
ここが「ド」なんですけど。「ド」の前に。また「シ」があり不安で始まって、
解決させたいって言ってて、最後のところまた「シ」で終わるんです。

(☆Taku Takahashiさん)
ちょっと続きたくない。完結せず…
多分無意識に作ってると思うんですけど、
ヒッキーの曲すごいのがハッピーな曲で、ちょっと哀しさの余韻が入ってる。
マイナーなメロディーとメジャーなメロディが混在してる。
そのさせ方のを最も美しく聴こえさせる方法をとってる。
それきっと自然にやってるんじゃないかと…
✅tofubeatsさんコメント(その2)
光って曲名。
「どんな時だって、 たった1人で」という歌い出しの曲。
使ってる言葉に難しい言葉とか無いわけですよ。
ちょっとありきたりな感じで、行くのかなって思ったら、
「運命忘れて」ときて、おっ!となって、「光を撃て」…


あと2番、「運命の仮面をとれ」みたいな。
なんか最後の方はどんどん言葉数が増えていく、
「先読みのしすぎなんて」みたいな、これはこれで、なんか歌詞っぽくない、
普通の言葉だけど歌詞っぽくないみたいな感じで、セリフっぽい言葉になっていったら、
歌詞の中に色々なテイストの歌詞が一つに入ってると。
それによって歌詞だけでも、むちゃくちゃストーリーがあって、
よく聞くとアレンジは結構シンプルで、そのシンプルなアレンジを
この歌詞のパワーで結構ぐいぐいを引っ張っていってる。

☆Taku Takahashiさんから質問
✅この楽曲はメロディーと歌詞が非常に密接に結びついており、
聴く人の心を強く捉えます。制作過程でメロディーとかは同時に呼ばれるのでしょうか。
(宇多田ヒカルさん回答)
ほぼ100パーセントメロディーが先。
歌詞が先ということが今まで1度もないです。
メロディーが無いと言いたいことがわからないんです。
コードとかからが1番多分無意識な感じで、自分との対話の始まりで、
自分が考えても自分が何を考えて感じてるかわかんない。
モヤーンとしたスープみたいな、潜在意識のスープみたいなとこから、
ぽろぽろコードとかでメロディーとかが出てきて、
メロディーは母音とか子音と結びついて出てきます。
だから、ここは 「イ-」であってほしいとか
「かっ」とか、そういう音が欲しいとか、
「うん、あー」みたいになってほしいとか、
そういうのがメロディーに…、
なんか筆みたいじゃないですか?歌って…
書道じゃないけど、はねるとこがあったり、 離すところ、
また付けるところ、そこが太くつくのか薄く細く始まるのかとか、
なんか声って特に筆っぽい…
コンパクトに勢いをつけてパンって行きたいのか、逆にわーって落ちたいのか。
ただ譜面で書けない要素がある。
そういうのと一緒に子音母音が出てきて、だんだん、
ちょっとスープにミネストローネかなぐらい、
ちょっと小さい具がうっすら見えるみたいな状態が、
ふわーんってなんか見えてきて、そのぐらいの状態で言いたいこと、
その感情を、どんな気持ちを表現したいか分かってきたから、
そこで歌詞を考え、言葉とか自然と考え始めた時に、その子音母音に導かれる。
制約がないと(歌詞が)出てこないんです。
制約があればあるほど、ある意味限定されて、
はまることで言いたいことが一致することが
なかなか無いから難しいはずなんですけど、
制約があればあるほど、 自分でも予想してなかった歌詞がパンとできて、
言葉とかはまる。
(スタッフさん)
制約っていうのは、先ほど宇多田さんがおっしゃった言葉とかじゃなくて、
音だったり子音の「イ」とかに当てはまるようなこのことですか?
(宇多田ヒカルさん)
そうですね。あと単純に文字数とか
メロディーがもうできてるから、文字数はほぼある程度は決まって、
ここは「あららららららら」って歌いたいから8文字か、
短歌とかそういういことじゃないですか?
多少字余りとかでも、メロディー食って入っちゃえばいいとか、
歌い方ちょっと調整しちゃえばとかできるけど、基本ははめていきたい。
そうすると「こんなこと私言いたかったんだ!」ということもあります。
(吉澤嘉代子さん)
あっついですね
ワタシがやっていることを「宇多田ヒカルもやってる!」☺
(☆Taku Takahashiさん)
歌詞素晴らしいですし、やはりメロディーが大事で、
素晴らしいのは、みんな歌詞が大事だっていう中でメロディーから
向き合っていくっていうのはね、すごくいいですよね。
(古田新太さん)
ある程度の制限があった方が、あの、やりやすいのはすごくよくわかる。

誰かの願いが叶うころ(2004年)_中村佳穂さんセレクト
歌の独自のアクセントが素晴らしい!
🎵「誰かの願いが叶うころ」
✅中村佳穂さんコメント
歌っていると気付くのですが、
「だれ↑かのねが↑いがか↑なうころ あのこがな↑いてるよ」と
アクセントがついている場所がオーソドックスな場所よりズレていることが、
曲に、前に進む力を与えていると思います。

Gold~また逢う日まで~(2023年)_Yaffleさんセレクト
曲の構成が素晴らしい!
🎵「Gold~また逢う日まで~」
・映画「キングダム 運命の炎」主題歌。
・イギリスの音楽プロデューサーA.G.Cookとの共同プロデュース
・リミックス版は☆Taku Takahashiが手がけた
✅Yaffleさんコメント
この曲は序盤ずっとビートレスで進んでいきますが、
鳴っていないビートを感じさせる歌唱なので、とてもグルーヴを感じます。
後半一転してアグレッシブなスタブベース(EDMで使われるアクセント的な音)や
ASMRにも通じるようなモダンなパーカッションで作られる展開。
単純なループ物っぽくないところが宇多田さんらしくて素晴らしいと思います。
【注目】
・ビートレスからASMR(日常生活の音や自然の環境音)
・時計の音のようなASMRのパーカッション
・アグレッシブなスタブベース(EDMで使われるアクセント的な音)
あなた(2017年)_いしわたり淳治さん、吉澤嘉代子さんセレクト
究極の愛の歌
🎵「あなた」
・7thアルバム「初恋」収録曲。
・映画「DESTINY 鎌倉ものがたり」主題歌。
✅吉澤嘉代子さんコメント
人が人に抱く究極の愛の歌だと思います。
どんなラブソングも、つまるところ、
この歌にたどり着く…と思ってしまうほどに完璧です。
✅いしわたり淳治さんコメント
母音「ai」の言葉が多用されているのが印象的です。
実は一般的なポップスの歌詞に使っても違和感のない
母音「ai」の言葉となるとそこまで多くありません。
また、韻に縛られると言い回しが湾曲し、
肝心が言いたいことが何なのか伝わりにくくなってしまいがちです。
それらを踏まえて聴くと、この歌の格の違いに気づくと思います。
言いたいことが偶然に韻を踏んでいたかのような自然さと、
それによる力強いメッセージ。
これだけ同じ音の韻を踏みながら、母から子への愛が説得力を
もってストレートに響く…
言葉に対するバランス感覚の良さは驚かされます。

✅吉澤嘉代子さんコメント(その2)
母から子への歌だと思うとさらにぐっと来るんですけど、
でもそれだけじゃなくて、普遍的な愛の歌だなっていう風に思っていて。
「ただの数字が特別になるよ」と日常的なすごく身近なフレーズと、
あと「業火の谷間」と「荒野の真ん中」っていう 心象風景ですね。
そういうのをぶっ飛ぶことによって、
すごくたくさんの人の心に重なるどんな人間関係においても
究極のラブソングに消化しているなっていう風に思います。
全ての愛の歌だなっていう風に思いました。
✅いしわたり淳治さんコメント(その2)
「ai」の母音、この歌すごく多くて、aの後にiがくるという
純粋なただの羅列、数えてみたら70近くあった。
これちょっと異常な数、
どうしてこんなことが起きてるのかって僕なりに考えて、
できる限り、愛(ai)を詰め込んだんじゃないかって。
でも母音の制約だった(笑)
(村上さん)
ダブルミーニングだったかもしれないですね?☺

☆いしわたり淳治さんから質問
(スタッフさん)
どこまで意識された上で、この歌詞を完成させたのでしょうか?
(宇多田ヒカルさん回答)
そこはメロディがそうなってくところが気持ちいいじゃないですか?
「ai」「ai」でやりたいなって思って、そこは意識して、
そういう風に終わる言葉で考えていきました。
「あなた」は、特にコーラス(サビ)とかバース(Aメロ)の中で、
同じメロディーのとこは、それがまたメロディーが繰り返される時に、
同じ母音で、できるだけそれを韻を踏むときと同じなのかなと。
(スタッフさん)
韻を踏む際のリズム感やバランスなどはどのように意識していますか?
(宇多田ヒカルさん回答)
続く同じ母音とか、そのaiが続くとかじゃなくて、
例えばそれ以外の細かいところも、下がるメロディーのとこは同じ母音で、
セカンドバース(2A)のとこも届いてたりとか、 結構頑張った記憶があります。
例えば、「業火」のとことか、多分同じのを見たら、ここもouとかになってると思うんですよね。


それをできないよって、
これで揃えられるかなって、ちょっと思うんですよ。
思いながら、でも考えていくと、より特別な、ハマった時に、
なんでも良かったら、ぱって出てきた言葉にしちゃってたかもしれないけど、
そこを悩んで選んで探して、すごい探した中での特別な言葉が
見つかる気がするんです。
(スタッフさん)
宇多田さんのその苦労っていう言葉で言っていいのかわかりませんけど、
試行錯誤というか、それはそれで、ものすごい大変なお時間がかかったりするのですか?
(宇多田ヒカルさん)
大変です、でもそれが私すごい好きです。
今、終わらせる歌詞がないからそんなこと言ってるんですけど(笑)
いつも歌詞書いてる時は本当辛い。
歌詞が1番辛いって周りに辛い辛いって言ってます(笑)
一番大事なことって一番言いにくいことだと思うんです。
言いにくいっていうか、言うのが難しい。
なんかそれ、スティーブンキングの中で見たんです。
スティーブンキングがインタビューで言ってて、
一番伝えなきゃいけないというか、私ももう言い切ったこの歌詞で、
まだ何行か完成してないところがある。
本当最後の方、 それが終わりじゃなくて、
どこかバラバラってあるんですけど、そこでもう、言うべきことというか
出るものは、この曲において物語っていうか、このテーマの中でも言った気がするし、
なんかんだ言葉数、埋めるわけにいかないから、大事なこと、
意味があること 出さなきゃいけないって。
そこでなんか絞ってる感じももう出ないみたいな感じだった。
で、そこで、でも諦めないでずっと考えた挙げ句に 「わ、そうか!」っていうのが
出てきて、自分で全くそん時って予想してなかったとか、
自分がそっかって思える、自分にとっての発見がある、
考え方とか発想の転換とかが出てきて、
そこで自分でもこのためにこれで曲がこれで完成だって思える。
【スティーブンキングの言葉】
最も重要なことは、言うのが最も難しい
The most important things are the hardest things to say
(スタッフさん)
宇多田さんでも締め切りの苦しみが、、、
(宇多田ヒカルさん)
焦りますよね。もう無理だって、
その時間かければできるものじゃないわけじゃないですか。
本当、釣りみたいだなって思うんですけど…
作詞って、待ってることが仕事で、釣れそうな場所は海流の流れとか
天候とかを読んで、自分の中ので釣れそうな場所とかに
行くことはプロっていうか。
やってればわかってくるのが上手になるんですけど。
あとは、いくら待っても釣れない時もあるし、
常に関係ないことしてて、 なんか子供の学校の送り迎えとかしてようが、
お風呂入ってようが、テレビ見てようが何してようが、
なんかどっかの頭の奥では釣りしてる自分ってずっと思ってて、
それが、待つことが 仕事かなっていう。
オンとかオフがないと思うんですよね。忍耐強くしてくれるプロセス
スタッフさんたちは、すいません、ちょっと寿命を縮ませてると本当に思ってます。
10番目の最後の1曲の、もうマスタリング決まってるのに、
私がボーカル足したりとか、まだできてないとか…
とてもありがたく思っています。
✅いしわたり淳治さんコメント
すごく貴重な話を聞けたなと思います。
やっぱり強い人だなと思いました。
宇多田さんって自分の音楽を自分で作ってるわけで、
決めたルールだって自分で変えれるわけじゃないですか。
でも、そこに誠実に、最後までこれだけの 熱意を持って、
自分で決めたルールに自分で向かい続けるっていうことができてる
というのはすごいことだと思います。
これ、僕が例えば宇多田さんに
ここは絶対「ai」なんですって言われたら、それはもう考えますけど。
本人であればそれを変えることも本来できる。
それをしないんだということが、こういう名曲を生んでるんだなということを
改めて 思いましたね。
(古田新太さん)
宇多田ちゃんはもっと天才的な作り方をしてるのかなと思ったら、
すごく細かく自分で指定したものに合わせて、そこで釣りをするように待つと。
それは本当にそうなんだと思って。
天才だと思ってたけど、すげえ職人だったんだ。
次回予告
【次回予告】
2024年4月28日(日) よる11時00分~
「デビュー25周年、宇多田ヒカル特集!!完結編」
アーティストゲスト
☆Taku Takahashi(m-flo)、いしわたり淳治、吉澤嘉代子、tofubeats
終わりに
デビュー25周年 宇多田ヒカル特集
ありがとうございます!
ほんと名曲ばかり!
Automatic、15歳で制作って!!
2022年のコーチェラで「First Love」「Automatic」
歌ってくれて、感動しすぎた記憶です。
宇多田さんの世界観、思想が素敵すぎです。
下記、今回のインタビューで印象に残った言葉です。
・「25」点で並べると四角にもなるのもいい
・別れとか喪失のことを書いてた
・かっこいいですよね。サイエンスフィクションって
・根底にあるダークな部分が不安を掻き分けるように突き進んでく感じ
・100パーセント、メロディーが先
・メロディーが無いと言いたいことがわからない
・自分との対話の始まり
・モヤーンとしたスープ
・子音母音に導かれる
・制約がないと(歌詞が)出てこない
・悩んで選んで探して
・一番大事なことって一番言いにくいこと
・作詞は「釣り」みたい
・忍耐強くしてくれるプロセス
どんどん出てくる言葉に感銘を受けます。
また、「あなた」と言う曲の
母音「ai」の数が70くらいあるのはすごい。
そこに、リズムの心地よさがあるんですね。
めちゃオモシロいです。
天才であり、職人。ほんとすごい。
次回、完結編も楽しみです!
「EIGHT-JAM 」さん、
素敵なゲスト、素敵なテーマ、楽しい番組、誠にありがとうございました!