
サザンオールスターズ特集【前編】!!
大好きな音楽番組
「EIGHT-JAM (旧 関ジャム 完全燃SHOW)」(日曜日 よる11:15~、たまに11:30~)のまとめ記事です。
「EIGHT-JAM」は、プロミュージシャンの方々が、
音楽理論、音楽の奥深さなどを楽しめて学べるので、とても大好きな番組です。
こちらでは、メモ程度に残させていただいております。
気軽に、楽しんでいただければ嬉しいです。
もくじ
サザンオールスターズ_後半はこちら
✅EIGHT-JAM 2025年4月6日 サザンオールスターズ特集 後編

サザンオールスターズ_ゲスト
アーティストゲスト
・水野良樹(いきものがかり)
・片山敦夫
・曽我淳一
・みの
✅水野良樹(いきものがかり)
✅片山敦夫
長年、サザンのサポートキーボードを担当。
アレンジャーとしても多くの作品に参加。
✅曽我淳一
片山と共に多くの作品に携わる。
桑田や原のソロではサポートキーボードとしてライブにも出演。
✅みの
様々な音楽を紹介・解説するYouTubeチャンネル「みのミュージック」を配信。
THE YELLOW MONKEY、亀田誠治、GLAY TAKUROら多くのプロも出演。
✅SUPER EIGHT村上さん
桑田さんと一緒にスタジオに入られて作業されることもあるのですか?
(曽我淳一さん)
最初の曲の立ち上げと言いますか。
桑田さんがこういう曲なんだよっていうのをギターとかで教えてくれる時の
最初のシミュレーションっていうのは、大体3人でやります。
✅みのさんコメント
桑田さん筆頭に、バンドのメンバーの皆さんミステリアスっていうか…
なんかあんまりそれを語りたがらない、なんかそういう享受もあると思っていて、
そこの核心の部分に今回迫れるんじゃないのかなって、ちょっと期待を抱いてております
サザンオールスターズ_デビューから5つの年代で1位を獲得
✅80年代
・シングル「さよならベイビー」
・アルバム「NUDE MAN」「人気者で行こう」「KAMAKURA」他
✅90年代
・シングル「涙のキッス」「エロティカ・セブン」「あなただけを」他
・アルバム「世に万葉の花が咲くなり」「Young Love」「さくら」他
✅00年代
・シングル「TSUNAMI」「涙の海で抱かれたい」「愛と欲望の日々」「DIRTY OLD MAN」他
・アルバム「キラーストレス」他
✅10年代
・シングル「ピースとハイライト」「東京VICTORY」
・アルバム「葡萄」他
✅20年代
アルバム最新作「THANK YOU SO MUCH」1位獲得
アルバムが5つの年代で1位!
サザンオールスターズ_質問
曲作りはまず何から?
✅桑田佳祐さん回答
曲を作る時はね、まずギターを持つんじゃないですね。
なんか色々あるんですよね。
自分の中でこう、寝室から書斎に移った時の途中とか、
やっぱりね、あるじゃないですか?
「あっ」ていうのがあるんだけど、おそらく「あっ」て思ったのは、
これ言っちゃうとあれだけど…
寝室の前に、多分リビングにいたんだと思うんですよね。
で、リビングで、なんかCMかなんか見たんじゃないかと思うんだけど、
それで、寝室通過して、書斎入った時に、「あっ」て、
そのCMの音が流れたんじゃないかと。
それでね、できたような気になるんじゃない。
広い意味でパクリとも言うんですけど…(笑)
そんなもんじゃないかなってね…
私はよく言うんですけどね、
音楽人としてね、
やり方はね…生き様、模倣。
もう本当にね、多分何もかも模倣だと思うんです、
ジョンレノンってこんな感じで歌ってるよねっていうような…
「でも好きだからやらせて」っていうのが、
なんか未だにこの年でね、バンドやってますもんね…
アイデアの出し方は?
✅桑田佳祐さん回答
地下室の中で、ずっとなんかの中でこうやってやってると、
あんまり降りてこない
(スタッフさん)
あんまり「こう作るぞ!」って言って作る感じではないんですね?
(桑田さん)
全然向いてない。
やっぱ1番いいのはね、散歩。
人間、物を考えるには散歩が1番いい。
あと個室でだけど、一人で車の移動。
そこでいろんなことを思い描き、時には歌ってます。
(スタッフさん)
お散歩は毎日されてるんですか?
(桑田さん)
いや、お散歩は毎日しないんですけど、
なんか歌詞を作ってる時とか、曲を作ってる時かな。
やっぱりお散歩に出ますよね。
目から入ってくる、
耳から入ってくる情報っていうのは
頭の中ガーって変わります。
皮膚感覚とか風に当たるとかそういうのが
「あっ」て気付きに繋がります。
(スタッフさん)
その時にこう思いついたフレーズだったりとかを
なんか録音されたりとかするのですか?
(桑田さん)
します。します。
スマホに入れたりします
✅水野良樹さん
曲作りの話で未だかつて間取りから話をスタートしたはいないです(笑)
家の寝室で、リビングで、みたいなって僕思ったんすけど、
どういう風な状態で自分がいると曲を書きやすいかっていうことを
ずっと長い間考えてらっしゃると思うんです。
なので、どっちかっていうとアスリート的なのかなって。
自分のどういう精神状態でいれば1番メロディーが追いやすいかっていうのを
常に考えてるからああいう言葉が出てくのかなと思いました。
ちょっといきなり出だしから違う次元から始まったのが…(笑)
✅足立梨花さんコメント
模倣だとかこれパクリっておっしゃってるんですけど、
サザンさんの曲はもうサザンでしかないというか…
(ザキヤマさん)
1番模倣されてる人ですからね…(笑)
曲を作る時、和音とメロディは一緒に出てくる?
✅曽我淳一さん質問

✅桑田佳祐さん回答
一部は和音とメロディーは一緒に出てきますけど、
じゃあどんなテンションをつけようとかね、
どういう和声にしようとか、そういうことはやってもらいます。
ざっくりはしてないと思いますよ。
(スタッフさん)
ちなみに、なんか譜面を書かれたりはされるんですか?
(桑田さん)
譜面は書けないです。
コードしか書けない。
ブレイクとか、(リズムを)食うとかね。
C、C7、Fみたいな…
そういうのしかかけない、細かいのかけない。
時間かかっっちゃってしょうがない…
原由子さんについて
✅原由子特集(2022年10月30日 O.A.)
創作の過程について…(桑田佳祐さんよりコメント)

私が曲を作っていて、ちょっと悩むことがあると
彼女に意見を聞くことはありますね。
書斎に呼んで、
「ちょっと聴いてみてくれる?」と聴いてみてもらうんです。
一聴して、彼女はポンと意見を言ってくれる。
✅桑田佳祐さんコメント
1番身近にいて、1番の第三者、
1番の第三者というかね、信用できる。
そういう意味では、
「このハモでいいのかな?」とか聴くことはありますね。
なかなか彼女もシビアで…
彼女の歌「風のタイムマシンにのって」では
この曲を作って、仮歌を入れたんですね。
したら「ふーん」って顔してる…
「気に入ってねえなこりゃ(笑)」
そういう時は怖いんです。
この段階で聴かせなきゃよかった…
で、今度また改めて歌詞を作って、
歌詞を入れたの聴かせると…
ちょっと動き出すんです。
「いいじゃん」って…
苦労するのよ…(笑)
🎵「風のタイムマシンにのって」サザンオールスターズ
・最新アルバム「THANK YOU SO MUCH」唯一の原ボーカル曲。
曲のアレンジはどの段階で考えますか?
✅桑田佳祐さん回答
我々のグループっていうのは元々ヘッドアレンジですから。
みんなで楽器を持ちながら、そっから始まってるんでね。
だからアレンジャーとしてはそんなに…
山下達郎さんがこんくらいだとしたら、うちらはこんくらいです。
譜面にはならないこととか、口でとか、楽器でとか、
「ここ、こうして」っていうのが、
気を付けてやってるんじゃないかっていうかね。
そういうやり取りも我々にとってはすごく大事にしてよかったなと思います。
✅片山敦夫さんコメント
譜面で伝えるっていう、
口伝えに、楽器の種類だったり、
音色だったり、ここをこうしたいとか、
そういう伝え方がすごくうまいっていうか、
桑田さんならではの表現がやっぱあって…
やっぱバンドなんで、それにすぐ対応していける。
(曽我淳一さん)
最初に聴かせていただくときに、
もう結構しっかりとした土台の曲っていうのはいつもあるので、
骨格となるメロディーと和音っていうのは
もう結構確固たるものがあります。
その太い幹がある状態で、我々はいつもいただける。
そこがもうぶれないので。
そっから、色々足してった方がいいのか、
足ささない方がいいのかとかいうのを、
日々、片山さんとかとやってる感じですね。
(片山敦夫さん)
その判断も桑田さんすごく早いし、
適確なもんで、こちらも色々提示することができるんです。
(曽我淳一さん)
結構、何でもやってみようなんで。
私たちも割と好きにやらさせていただいております
✅ヘッドアレンジ

バンドメンバーが集まり、意見を交えながらアレンジを組み立てていく作業。
サザンオールスターズ_プロが選ぶサザンオールスターズの名曲
「勝手にシンドバッド」(1978年)_水野良樹さん、LOVE PSYCHEDELICO NAOKIさんセレクト
デビュー曲にしてアイデアの宝箱みたいな楽曲!!
🎵「勝手にシンドバッド」サザンオールスターズ(1978年)
✅LOVE PSYCHEDELICO NAOKIさんコメント
当時”早口言葉”と揶揄されたりしたが、
時代が進んで今聴けば、あれは日本語をグルーヴィーに
ファンクした発明だったのだと気づかされる。
この早口というユーモアとファンクというシリアスの境い目が天才的なのです。
だから世の中にも届いていく。
デビューの時点で、いかに桑田さんが時代の先に進んでいたかがよく分かる曲です。
✅水野良樹さんコメント
「ラテンぽい」けどラテンじゃないし、
「ファンクっぽい」けどファンクじゃない。
「歌謡曲っぽい」けれど歌謡曲じゃない。
様々な要素を抜群のセンスでデフォルメして、
それを桑田佳祐というあまりに個性の強いボーカルの歌唱で
ひとつのオリジナルにまとめこんでしまう。
その楽曲の成り立ちを含めて、
まさにJ-POPの王者たる楽曲。
「真夏の果実」(1990年)_家入レオさん、Awichさん、本間昭光さんセレクト
切なく美しい日本を代表するバラード
🎵「真夏の果実」サザンオールスターズ(1990年)
・桑田が監督した映画「稲村ジェーン」主題歌。
・亀田誠治は「聴いた瞬間に鳥肌が立った」「この曲で僕の人生が変わった」と語る。
✅本間昭光さんコメント
アレンジと楽器のチョイスが
楽曲にさらなる深みをもたらす最高事例だと思います。
✅Awichさんコメント
歌詞の情景描写が圧倒的に美しい。
バラードでありながら、R&B的な要素やブルースの
影響を感じるメロディーラインが素敵。
「おいしいね~傑作物語」(1988年)_indigo la End 佐藤栄太郎さんセレクト
大好きな曲!!
「みんなのうた」カップリング
🎵「おいしいね~傑作物語」サザンオールスターズ(1988年)
✅indigo la End 佐藤栄太郎さんコメント
不穏で官能的なプロダクションと
歌詞は自己批評を含めた音楽産業批判。
こんなにも皮肉と葛藤に満ちた曲を、あの「みんなのうた」のB面として発表する。
一筋縄では行かない複雑さに、簡単には消化できない魅力を感じます。
「シャ・ラ・ラ」(1980年)_曽我淳一さんセレクト
1980年リリース
桑田&原のデュエット曲
🎵「シャ・ラ・ラ」サザンオールスターズ(1980年)
✅曽我淳一さんコメント
コンパクトで美しいAメロ。
自然さ、安心の中に
サビの前にちょっとだけ不安な和音が入る。
それがサビの美しさを際立たせている。
「愛と欲望の日々」(2004年)_斎藤誠さんセレクト
ドラマ「大奥~第一章~」主題歌
50枚目のシングル
🎵「愛と欲望の日々」サザンオールスターズ(2004年)
✅斎藤誠さんコメント
サザンのR&Bソングにハズレ無し。
特にこの曲にはうっとりします。
桑田さんならではの歌謡性とキャッチーさがたっぷり
練りこまれているから聴いていて胸が弾みます。
桑田さん自身が弾く演奏にもやられてしまいます。
心を込めて花束を(1996年)_水野良樹さんセレクト
完全に個人的な理由で選曲…
1996年発表のバラード
🎵「心を込めて花束を」サザンオールスターズ(1996年)
✅水野良樹さんコメント
デビュー直前にサザンオールスターズの横浜アリーナのライブを
拝見する機会をいただいて、そのライブの最後の曲がこの曲でした。
「期待通りの僕じゃないけど」
親の反対を無視して、音楽の道に進もうとしていた当時の自分には、
歌詞がダイレクトすぎるほど響きまして。
その時のサザンのライブは、
まさに老若男女が最初から最後まで、何の不安もなく楽しめるエンターテイメントで。
そうだ、自分たちはこの光景を目指せばいいんだと、
目指すべき光景を見させていただけたようなライブでした。
桑田さんが書かれてきた楽曲というのは
それこそ音楽的に色んな分析が可能なんでしょうが、
それを全部とっぱらったところで、
やっぱり聴く人を感動させる、
それは理屈でたどり着けるものじゃないと思います。
本当にいろんな要素がサザンオールスターズの音楽の中にはあって、
それを分析する…
まさにこういう番組ができるようなたくさんの要素があるんだけど、
じゃあその要素を集めたからっていい曲ができるかっていうと、
そうでもないことの難しさがあって、
やっぱそこを絶対、サザンの曲っていうのは、
各世代、各思いに、絶対刺さる曲があるじゃないですか。
その秘密ってやっぱりなかなか解き明かせるものじゃないなって、
そういう事を思わされる曲だなと思いました。
✅みのさん
いやもうやっぱ正真正銘の横綱ですよね。
僕は、サザンの音楽性を専門的に語る立場として
今回参加させていただいてますけど。
なんかこれ見てたらもう白旗あげたくなってきちゃいますね(笑)。
もう巨大すぎて…
どっから挑んでいいんだろうかと…
サザンオールスターズ_最新アルバム「THANK YOU SO MUCH」
最新アルバム、どのように作り始めた?
✅桑田佳祐さん回答
アルバム作ろうよって始まったんじゃないんですよね。
なんかそろそろなんかあるよねっていうか…
茅ヶ崎でライブやったりフェスに出さしてもらったりしてる中で、
そろそろ何かサザンとして動かないとねっていう、
なんかあるんですよね。
それで曲を作り始めたのがそもそもです…

「THANK YOU SO MUCH」
🎵「恋のブギウギナイト」(1曲目)
・ドラマ「新宿野戦病院」の主題歌
・サザンが最終回のエンドロールに登場し話題に。
🎵「桜、ひらり」(3曲目)
(家入レオさん)
祖父母や父母の胸の内を聞いた気がしました。
🎵「盆ギリ恋歌」(5曲目)
(本間昭光さん)
「THEサザン」な作風。
ベテランとしての幅の広さを感じます。
🎵「ごめんね母さん」(6曲目)
(水野良樹さん)
皮肉が込められているようで挑戦を感じるけど、
ある意味サザンらしい。
🎵「悲しみはブギの彼方に」
(曽我淳一さん)
デビュー前に制作された楽曲で、
聴いた時、「カッコいい…なんだこれは」と思いました。
(斎藤誠さん)
大学生の時に客席で観ていた曲。
当時、これほど洋楽ロックの肝を掴んでいる曲は他に無かった!!
🎵「Relay~杜の詩」
(みのさん)
坂本龍一さんの思いを受け止め作った曲。
洋楽のレガシーを次の世代に渡すという思いを感じた。
✅SUPER EIGHT 丸山さんコメント
全部、トラックの色味が違うけど、全てがサザンっていう、
なんか厚みと奥行きみたいなものが、この一聴しただけでも
分かるっていうのがすごいです
✅古田新太さんコメント
「悲しみはブギの彼方に」ってデビュー前の曲なんだからね。
それがこの中に入ってても何の遜色もなく、
サザンとして入ってくるね…
(片山敦夫さん)
新たに入れてみようという桑田さんのアイデアです。
全員がスタジオに集まってですね、
そこに僕とギタリストの斎藤誠が参加して、
「せーの」で録音したんですけど、
実に久しぶりだったんですね。
それがすごく楽しくてですね、
50年も前の曲ですからね。それを今演奏できるというのは
すごくワクワクします。
(安田さん)
これをこのタイミングで入れようという話は出たのですか?
(片山敦夫さん)
これ、原さんがその時のデモテープをなんか見つけたらしいんです。
で、それをおそらく桑田さんが聴いて、
「入れるんだったら今このタイミングしかない」と思ったらしいです。
「せーので、どん」は桑田さんのアイデアで、
直感的にバンドサウンドでやっぱり行きたいっていう…
総制作期間21ヵ月で最も時間を費やした事は?
✅桑田佳祐さん回答
「デモテープね」って言いながら
レコーディングに入る時は多いんですよね。
だからあんま気にしないよね。
あんま本気じゃないから。
すすっと始まって、だんだん曲が形になってきて、
少し本気になって、色々曲が溜まってきたとも。
踏ん切りが悪くてね、自分のラジオでオンエアしたのを聴きながら、
「あ、いけねえ」みたいな。
で、直してもらったり、コーラスちょっとあげといてみたいなとか、
もうちょっとコンプレッサーかけといてみたいなとか、
なんかそういう踏切の悪さで…
ほとんどはそれで大体…

✅SUPER EIGHT村上さんコメント
そこって、
普通に聴いてるリスナーの人って気づかないとこじゃないですか…
(足立梨花さん)
ラジオでオンエアされた後も直すってことですよね。
あれって、ありなんですか。(笑)
(水野さん)
ありだと思います(笑)
アルバム制作において、ターニングポイントとなった楽曲は?

✅桑田佳祐さん回答
うちのオペレーターの昔からお世話になってる角谷君
通称「カワチョー」という人なんですけど、
彼に連絡してね、いわゆるそのリズムループみたいなものを、
今時のガラツカツカツカツとかっていうのを、
リズムループみたいのを聴かしてくれないと言ったんですよね。
で、用意してもらって、スタジオ行って、6種類、7種類のループを
聴かせてもらって、「これ良くないね、これつまんないな、これいいね」って
言ったのが、おそらく多分今のその「恋のブギウギナイト」です。
ギターでそれを流してもらいながらちょっと作ってたっていうのがあって、
そういう作り方したもんな。
初めてではないけども、やっぱり進化してるっていうんですかね。
だから、新しいテクノロジーというか、レコーディングの仕方というのは、
我々の今の活動でもすごくね、重要になってきてます…

新しいテクノロジーを受け入れる事に抵抗はある?_本間昭光さん質問

✅桑田佳祐さん回答
抵抗感ないです。、全然。
今若い世代の人ともね。
例えばエンジニアの人とか、我々よりも当然若いですから、
ディレクターにしても、そういう人とやる時に、
もちろん新しい世代のテクノロジーの話もしなくちゃいけないし、
あと、かつてはこうだったって話もしなくちゃいけない。
昔は、例えば我々がデビューしてから5、6年ぐらいまでは「せーの」でやる。
バンドがメンバー集まってやって、後でこう差し替えるっていう。
今は逆に言うと、そのレコーディングとバンド活動ってのは
やっぱり微妙に違うんだと思うんですよね。
レコーディングっていうのは音楽制作の場であって、
バンド活動とかバンドセッションの場とはちょっとやはり違ってきてますよね。

「夢の宇宙旅行」どのように作られた?
🎵「夢の宇宙旅行」サザンオールスターズ
✅桑田佳祐さんコメント
デモテープみたいなものを最初作って、
スタジオでそれをうちのドラムの松田弘に聴かせて
そしたらデビットボウイみたいじゃね。
エルトン・ジョンみたいな…
そうそう、そうそう、そんな感じみたいな感じで。
だから、我々の世代の、共通項といえば、
デビットボウイとかTレックスとかエルトンジョンとか、
ちょっとブリティッシュな感じの雰囲気っていうんですかね
グラムロックとか、その頃に我々の世代は影響受けてましたから。
で、あと、仮歌ってあるんですけど、仮歌をね
「Looking for~」ってなんだろうって。
出てきたはいいけど、
なんか探してんだ、「Looking for~」って。
そっからこう、歌詞がね、「Looking for~」を残したまま。
だから、最初から「Looking for~」があるわけじゃなくて、
仮歌ってると衝動的にバーって出てくる。
しょうがないから、そこに合わせていくってことよくあります。
あと「Space」って出てきた。
「Space」ってなんだ。宇宙か。
そういう歌になってきたっていう。
そこから宇宙旅行。
なんかね、何かを探して求めてる。
人生観か宇宙旅行かわかんないけど、
何かをその主人公は求めている。
だから、仮歌もバカにならない。
「Space」ってなんだろう。空間?みたいな。
あ、宇宙だ。
「盆ギリ恋歌」のギターフレーズについて
🎵「盆ギリ恋歌」サザンオールスターズ
✅曽我淳一さんコメント
多分ですけど、桑田さん的にノンジャンルさ、
ジャンルがないというところで編み出したフレーズだと思う。
アジアっぽい音や色々な音が入ってるけれども、
どこかに寄ることなくこのフレーズに象徴されている。
桑田さんが1個ハンコを押してくれた。

(ナレーション)
実はこれ、アメリカの伝説的SFアンソロジーで、
日本でも「ミステリーゾーン」というタイトルで
人気を集めたテレビ番組のオマージュなんだそう…

✅桑田佳祐さんコメント
さらにこういうのも入ってるんですけど、
よく聴くと、007なんですね。
これをね、雑談の中で、今ダブルオーセブンって言いますけど、
我々の世代はゼロゼロセブン。
「007コードじゃん」とか言ってた時期があるんですよ。
とにかくあの曲、あのアジアン歌謡な曲で、
なんでもごった煮な世界だったんですよ。
なんかいろんな素材をぶっこむっていう、
で、グツグツ煮て回すみたいな曲だったんで、
たまたまたま雑談で出てた007も入れちゃったし。
チャラリラチャラリラだって、ちょっとなんか60年代の、
なんかアメリカとソ連の冷戦時代の緊張感みたいなものを
表した半音の動きだと思うんだけど、入れちゃおうと思ってね。
ある程度、そこにいたエンジニアとか、
曽我さんとか片山さんに対してのウケ狙いもあったかもしれない
「ど、どう?」みたいなみたいな(笑)
✅SUPER EIGHT村上さんコメント
必ず「もう俺が決めたからこう」じゃないんですね、
常に皆さんに確認しながらなんですね…
(片山さん)
何を出しても何を引いても受け入れてもらえるっていうような
環境はすごくありますよね。
全体の、やっぱスタジオも含めてムードがすごくいいです。
(横山さん)
緊張感みたいなのどうなんですか?
(片山さん)
はっきり言って、
レコーディングに関してはあまりないです。
(水野さん)
すごいですね。
作る時はいろんな意見を受け入れて、
その入り口はガバガバにもうゆるゆるなのに、
出口はちゃんとご自身で詰めていくっていう、
そのバランスがすごいです。
サザンオールスターズ_音に対する言葉の乗せ方
ゲストコメント
✅LOVE PSYCHEDELICO NAOKIさんコメント

当時ロックンロールと日本語の間にあった大きな溝を一気に埋めて、
「ロックにおける日本語の扱い方」という秘伝を
次世代に広く伝えてくれた功績は計り知れません
✅Awichさんコメント

桑田さんの歌詞は、
日常の言葉を巧みに繋げながら、
音楽のグルーヴと一体化している。
これはラッパーとしても学ぶことが多く
日本語の語感を最大限に生かす表現において
大きな影響を受けました。
作詞への取り組み方とは?
✅桑田佳祐さんコメント
昔はね、本当に歌詞っていうのは、
僕なんか洋楽のメロディとかサウンドが好きだったもんで。
例えばビートルズ「I Want To Hold Your Hand~」とか
小学校3年時に「なんだこれ?」と…
それでずっと大人になっちゃってデビューしちゃったんですよね。
だから我々がやりたいのはメロディ、シャウトとかサウンドであって、
「歌詞は別に気にしてません」
それは正直ありました。
それで20代前半のことなんでもよかったんですけど、
だけどちょっと待てよと。
デビューしてからしばらくするとファンの方がね、
「歌詞よかった」って言ってくれたりするんですよ…
えっそこはあんまりそこにこだわってなかったところに
「すごく歌詞感動しました」と…
いや、そんなつもりじゃないんですけどってあったりして。
あとやっぱりうちのメンバーが「KAMAKURA」ってアルバムを
それこそ作ってる時に、松田弘とか原由子ができた歌詞を見て
「いいね、今度の歌詞」ってこう紙を見て言ってくれた時期があったんですよ、
そのとき「歌詞見てるんだな」って改めてそう思ったのが
30歳ぐらいの時なんですけど、
そこからなんかメロディーがどうであれ、
歌詞がめちゃくちゃだと違う伝わり方するんだな
というようなことに気づいたんですよね。
この年になって、
我々とメンバーとお客さんとスタッフをつなぐ部分では、
いろんな意味で歌詞が波及するってことをありがたく感じてましたね。
ま、そこは丁寧に書くようになったのかもしれないですね。
🎵The Beatles - I Want To Hold Your Hand - Performed Live On The Ed Sullivan Show 2/9/64
✅Awichさんコメント
サザンオールスターズの最大の魅力は、
日本語の響きとリズムを極限まで生かした
ソングライティングにあると思います。
桑田佳祐さんの作詞作曲のセンスは、言葉遊びの巧さ、
歌詞の情感の深さ、ジャンルを超越した音楽性によって、
日本の音楽史において唯一無二の存在感を放っています。
(桑田さん)
ヤバイですねぇ…
どうしよう…(笑)
日本語の響き、日本語へのこだありで大切にしているものは?
✅桑田佳祐さんコメント
僕なんか1番日本語を大切にしてないって言われてる。
「何言ってるかわかんない」って長年言われてきてるんですよ。
でも洋楽が好きで始めた音楽活動だったわけで、
そこに対してやっぱりその日本語を落とし込むっていうのは、
ちょっと歪な部分が出てくるんだけど、
いわゆる洋楽のこのフロウとかリエゾンとか、
洋楽的な音符とか言葉の響きに対して、
日本語にはなかなかなかったりするんですけど、
そういう時にね、「桜、ひらり」の中で四文字熟語で
柳暗花明(りゅうあんかめい)って言葉を見つけたんですけど、
漢字に書かれてる言葉って堅苦しいけど
響き、フロウはいい。
僕もそういうのをたまに利用させてもらうことはあるかな…
✅リエゾン

フランス語で単独では発音されない語末の子音を後にくる語頭の母音と
一緒に発音すること


🎵「桜、ひらり」サザンオールスターズ
✅水野良樹さんコメント
こんなふうに日本語の詞に載せられるんだとか。
それはやっぱり桑田さんがいたことによって、
その後、後輩たちがああいう風に書けば
載せられるんだっていうのを示してくれて。
もう本当に教科書の1ページ目にある人です
「愛の言霊」サザンオールスターズ
🎵愛の言霊 ~Spiritual Message~ [2024 Remaster] サザンオールスターズ
✅水野良樹さんコメント
かつてこんな「とは」の発音の日本語ポップスがあったでしょうか?
この楽曲こそ、桑田佳祐が日本語ポップス界にもたらした
外来のメロディーで日本語を成立させる方法論のシンボリック的な作品だと思います。
✅桑田佳祐さんコメント
「愛の言霊」なんかもね、そうなんだけど、
「そわ」「とわ」とかがあって
日本語って数少ないから「とは」って、
もうそこで終わっちゃうから。
そうすると他のところに意味合いを含ませていかないと
童謡みたいになっちゃうから。
だから宇宙とか人生とかの、なんかこう含みを持たせて歌詞を。
元はと言えば、やっぱり「とは」がやりたかった。
洋楽みたいなの発音したいなとかで…

✅水野良樹さんコメント
桑田さんもこうやって、ちょっと適当に歌ってるうちに
そういう言葉が出たんだっていうような言い方をされてますけど、
それを本当に作品として落とし込むまでに結構距離があって。
僕らも歌ってるうちに出てきた言葉を歌詞にすることもあるけど、
こういう風にその発音のニュアンスを丁寧に取りながら、
意味合いも持たせるって実はできないです。
この間がめちゃくちゃ緻密で…
適当ゾーンはみんなできるんだけど、
みんなできるから、あんな感じで軽く話して「あは」って笑えるんだけど、
ここに、この後に踏み込んでるのがあの方の怖さだと思います。
終わりに
サザンオールスターズ特集!
ありがとうございます!
アルバムは「Young Love」「海のYeah!!」しか聴いて無かったですが、
他のアルバムも全部聴きたくなりました。
桑田さんの温かさ、やさしさ、お茶目なところ、
やっぱり好きです。大好きです。
ほんとサザンの楽曲の幅広さに毎回、心を打たれます。
歌詞も「愛の言霊」韻の踏み方など衝撃を受けた記憶が鮮明に残っております。
そんな「愛の言霊」のエピソードを聴けて大変うれしかったです。
【印象に残った言葉など】
・広い意味でパクリとも言うんですけど…(笑)
・やり方はね…生き様、模倣
・人間、物を考えるには散歩が1番いい
・譜面は書けないです
・彼女はポンと意見を言ってくれる
・ヘッドアレンジ
・譜面にはならないこと
・何でもやってみよう
・ユーモアとファンクというシリアスの境い目が天才的
・抜群のセンスでデフォルメ
・不穏で官能的なプロダクション
・簡単には消化できない魅力
・期待通りの僕じゃないけど
・何の不安もなく楽しめるエンターテイメント
・正真正銘の横綱
・「せーの」で録音
・デビットボウイとかTレックスとかエルトンジョン
・しょうがないから、そこに合わせていく
・仮歌もバカにならない
・007コードじゃん
・曽我さんとか片山さんに対してのウケ狙い
・「ロックにおける日本語の扱い方」という秘伝
・日本語の語感を最大限に生かす表現
・「歌詞は別に気にしてません」それは正直ありました。
・「KAMAKURA」
・言葉遊びの巧さ、歌詞の情感の深さ、ジャンルを超越した音楽性
・ヤバイですねぇ…どうしよう…
・リエゾン
・柳暗花明(りゅうあんかめい)
・教科書の1ページ目にある人
・外来のメロディーで日本語を成立させる方法論のシンボリック的な作品
・元はと言えば、やっぱり「とは」がやりたかった
・発音のニュアンスを丁寧に取りながら、意味合いも持たせる
後半もめちゃめちゃ楽しみです!
「EIGHT-JAM(エイトジャム)」さん、
いつも素敵なゲスト、素敵なテーマ、楽しい番組、誠にありがとうございます!!
✅EIGHT-JAM 2025年4月6日 サザンオールスターズ特集 後編
