PR EIGHT-JAM(関ジャム)

EIGHT-JAM 2025年11月2日 松任谷由実 特集(岡村靖幸、武部聡志、原口沙輔

松任谷由実 特集!!

大好きな音楽番組
EIGHT-JAM (旧 関ジャム 完全燃SHOW)(日曜日 よる11:15~、たまに11:30~)のまとめ記事です。

EIGHT-JAM」は、プロミュージシャンの方々が、

音楽理論、音楽の奥深さなどを楽しめて学べるので、とても大好きな番組です。

こちらでは、メモ程度に残させていただいております。

気軽に楽しんでいただけれたら嬉しいです。

もくじ

松任谷由実 特集_アーティストゲスト

アーティストゲスト

アーティストゲスト

・岡村靖幸
武部聡志
原口沙輔

岡村靖幸
ユーミンとコラボ楽曲を発表する一方
プライベートで食事に行くなど公私ともに親しい関係

武部聡志
コンサートの音楽監督を務める
夫・松任谷正隆とは師弟関係にあたる

原口沙輔
ユーミン楽曲に幼い頃から触れる。
最新の音声合成技術を取り入れ、作品制作も。

✅武部聡志さんコメント
ユーミンさんとは40年以上ですね、
80年代前半から毎年のようにツアーを一緒に待って、
もう家族よりも一緒にいる時間が長い時もありました

今回のこのアルバム。
もうとにかく驚きました。
驚愕
その一言です。

松任谷由実 特集_名曲ヒストリー

「ひこうき雲」荒井由実(1973年)

🎵「ひこうき雲」荒井由実(1973年)
・スタジオジブリ作品「風立ちぬ」(2013年)主題歌。

「やさしさに包まれたなら」荒井由実(1974年)

🎵「やさしさに包まれたなら」荒井由実(1974年)
・不二家CMソング。初タイアップ曲

「ルージュの伝言」荒井由実(1975年)

🎵「ルージュの伝言」荒井由実(1975年)
・スタジオジブリ作品「魔女の宅急便」(1989年)に使用され再ヒット。

「卒業写真」荒井由実(1975年)

🎵「卒業写真」荒井由実(1975年)
・元はハイ・ファイ・セットへの提供曲。

「中央フリーウェイ」荒井由実(1976年)

🎵「中央フリーウェイ」荒井由実(1976年)
・荒井由実 名義 最後のアルバム「14番目の月」収録曲。

「恋人がサンタクロース」松任谷由実(1980年)

🎵「恋人がサンタクロース」松任谷由実(1980年)
クリスマスはカップルで過ごすという文化を根付かせた。

「守ってあげたい」松任谷由実(1981年)

🎵「守ってあげたい」松任谷由実(1981年)
・薬師丸ひろ子主演映画「ねらわれた学園」主題歌。

「シンデレラ・エクスプレス」松任谷由実(1985年)

🎵「シンデレラ・エクスプレス」松任谷由実(1985年)
・JR東海「シンデレラ・エクスプレス」CMソング。

「ダイアモンドダストが消えぬまに」松任谷由実(1987年)

🎵「ダイアモンドダストが消えぬまに」松任谷由実(1987年)
・当時あまり馴染みのなかったダイビングを歌詞に引用

「リフレインが叫んでる」松任谷由実(1988年)

🎵「リフレインが叫んでる」松任谷由実(1988年)
・当時のアルバム史上、最速ミリオン記録

「真夏の世の夢」松任谷由実(1993年)

🎵「真夏の世の夢」松任谷由実(1993年)
・ドラマ「誰にも言えない」主題歌。シングルで初の100万枚

「Hello, my friend」松任谷由実(1994年)

🎵「Hello, my friend」松任谷由実(1994年)
・筒井道隆主演「君といた夏」主題歌。売上135万枚

✅米津玄師さんコメント
松任谷由実さんの「Hello, my friend」が
ものすごく美しい曲だなと思って
この曲のコード感は
Lemon」に影響を及ぼしました。

「春よ、来い」松任谷由実(1994年)

🎵「春よ、来い」松任谷由実(1994年)
・NHK連続テレビ小説「春よ、来い」主題歌。売上116万枚

✅Suchimos YONCEさんコメント
流行り廃りを気にしないで済む感性を養えたのは、
トレンドを超越したユーミンさんの品格ある音楽
おかげかもしれません。

松任谷由実 特集_40枚目アルバム「Wormhole」はどう作られた?

松任谷由実 特集_プロデューサー松任谷正隆「出発はリベンジ」

音楽プロデューサー松任谷正隆

手がけた主なアーティスト
・いきものがかり
・岩崎宏美
・西城秀樹
・斉藤由貴
・中島みゆき
・原田知世
・平原綾香
・松田聖子
・薬師丸ひろ子
・ゆず
・吉田拓郎

なぜAIを使ってアルバムを作ろうと思った?

✅松任谷正隆さんコメント
スタッフが古い録音された
由実さんのマルチテープを見つけたんですね。

Call me back」というのだけが書いてあって、
歌詞もほとんどできてなくて、オケ(伴奏)だけは録ってあって。

それをどうしようかって言ってた時に、
また偶然、まるで別のところから
東大でAIを研究してるグループがいて、
そこが昔の声を再現できるという話があったんですね。

それをなんかくっつけてみたらどうなるかなっていう。

「Call me back」っていうタイトルも
なんかそれに合うかなみたいな。

だけど想像してたのとだいぶ違って、似てなくもない
昔の声に似てなくもないし、口癖がちょっと似てるかな。
だから結構がっかりした

そんなこと言っちゃって申し訳ないんだけど。
でも、当時のテクノロジー的には本当にその程度
それが最先端だったらしい。

個人的に、性格的に、
リベンジをしたいなってずっとどっかで思ってたんですよ。

また、今回のアルバム作る時に
偶然にSynthesizer Vという
昔の声を、学習させて再現できるような
仕組みがあるという…

ま、期待せずにやってみたら、
その3年か4年くらいAIの進歩がもう
異常すぎるぐらい異常で…

でも、そこには本当に荒井由実があった
これは。ちょっと全然面白くなってきて、
やってみようかなみたいなのが1つありました。

✅Synthesizer V
音符と歌詞の入力によって、
歌声を合成することが出来るソフト

🎵「Call me back」松任谷由実(2022年)

スタジオのユーミンへ

✅スタッフさん
ユーミンさん、スタジオにいらっしゃいますけど、
なにか一言…


(松任谷正隆さん)
また違う時間軸ですね。
未来の由実さんか、ちょっとだけ…
機嫌がいいとよいですね…(笑)

(ユーミンさん)
私はいつも機嫌がいいですよ(笑)

松任谷由実 特集_50年間の音声データから”第3のユーミンの声”を生成

4つのパターンの曲

1⃣今のユーミンがメインで歌う
2⃣AIがメインで歌う
3⃣今のユーミンAIが歌い分ける
4⃣今のユーミンAIが一緒に歌う

ナレーション
今回のアルバムは大きく分けると
この4つのパターンの曲に分けられるが、
AIが曲作りにどう使われているのか。

荒井由実時代、松任谷由時代
50年間のボーカルデータを読み込ませ、
歌詞と音符を打ち込むことでAIが歌い出すのだが、

その声は1曲ごとに声の明るさやブレスの使い方など
パラメーターを調整し、
荒井由実時代や90年代の声質、歌い方など
自在に声を変化させ、
第3のユーミンの声を生成

✅歌詞と音符を打ち込むことでAIが歌い出す

✅1曲ごとにパラメータを調整し、
過去のユーミンの声や歌い方などを自在に変化させることが出来る

Synthesizer Vは最初から使えた?

✅スタッフさん
元々最初から使えたものなんですか?


(松任谷正隆さん)
いや、全然

だから、
僕はそういうのは素人ですから、
途中で投げ出したくなりましたね

歌詞を打ち込んで行くところで
もうやめたくなった

(松任谷正隆さん)
基本的にはまず由実さんの歌を撮る
で、歌をSynthesizer Vに取り込んで
そいつをMIDIデータに直す

そしてそのMIDIデータのものをその昔の声に差し替える
そうすると、由実さんのパフォーマンスが
そのまんま昔の声になる

もう1つ、
鍵盤で打ち込む方法もあるんだけど、
そうすると由実さんのニュアンスが出せないので、

Synthesizer Vのマスターだったら
ちゃんとできると思うけど、
僕はできない

だから録って、そいつを取り込んで、
AIの声に直す。

✅MIDIデータ
音楽の演奏情報をデータ化し、
電子楽器やパソコンで再生できるようにしたもの。

新しい発見は?

✅松任谷正隆さんコメント
定位(音源における音の位置)の考え方も、
右にSynthesizer Vを置いて、左に生の音を置いて。

こんな定位のさせ方なんて
僕今までやったことなかったけど、
やってみたら面白かった

今までの楽曲制作との違いは?

✅スタッフさん
その分、手間とかはかかったりはしないんですか


(松任谷正隆さん)
します


ボーカルに関しては10倍ぐらいかかってる
ボーカルはもう本当に
今まではチャンネル選んでそれで終わりみたいな
ところはあったけど、そっから先がある

✅ユーミンさんコメント
タペストリーを織るように、
何十時間もこもってましたね…

✅武部聡志さんコメント
Synthesizer V使ってやるっていうのが、
どのぐらいのクオリティのものができるか
分からなかったです。

で、今回も聴かせてもらって、
もう本当に驚きました。

ユーミンさんの荒井由実時代の声
それから松任谷由実時代の声
今の声ってのがうまく
時空を超えてセッションしてるみたいな


そういう仕上がりになって、まず驚きました。
2025年の新しいユーミンさんのボーカルっていう形で

✅岡村靖幸さんコメント
いや、すごく挑戦的なことを…
ユーミンさんの歴史を考えると
常にやってこられたので、
「あ、ユーミンさんやりそうだな」と…

✅SUPER EIGHT 村上さん質問
ちょっと怖さなどはなかったんですか?

(ユーミンさん)
いや、もうないですね
50周年を過ぎて、次どこ行こうっていう時に、
何か誰もやってないことをやるべきじゃないかと
思ってたので。
燃えるタイプの方で
喜んで被験者になろうと思いました。

松任谷由実 特集_最新歌声合成ソフト"Synthesizer V”とは!?

歌声合成ソフトSynthesizer V

✅原口沙輔さん解説
普通にものすごいことなんですけど、
ここに今あります

ほとんどボーカロイドと使い方近いんですけど、
ここに音程があって、
で、これ拡大すると歌詞がこう入ってるっていう感じで
歌詞が打ち込めるんです。

例えばですよ、これを選択して、
これで再生すると、指定した音程を歌ってくださる

例えばこれ、今「ら」ですけど、
「あ」にするとこともできます…

(原口沙輔さん)
先ほど松任谷正隆さんもおっしゃってましたけど。
普通に歌詞を歌うだけの方がそれは早いんですよね。

全部1文字ずつとか打ち込んでいくんですよね。
長さも自分で指定するので、
ここはちょっと短く言わせたいなっていうと、
こうやってこう短くしたりとか。

速いフレーズを歌おうと思ったら
人間では限度があるじゃないですか

人間の歌えるスピードでは、
できないくらい速いフレーズを作ることも可能です

原口沙輔さんコメント
これをメインというより、
コーラスで使うとか、バッキングで使う
みたいな。

人間の声を重ねるのと、
このAIを使って声を重ねるのだと全然聞こえ方違う

全然違う音になるんです。
それをさらに人間とAIを重ねるとまた別になる

(SUPER EIGHT安田さん)
本当に今までなかったパターンが作れるということなんですね 

(原口沙輔さん)
そうです

声質や歌い方、声色の傾向まで変えられる

✅ナレーション
右端にあるパラメータを調整することで、
声の質や歌い方、声色の傾向まで変えることができるという。

✅原口沙輔さん解説
例えば、
テンションっていうのがわかりやすいです。
強さとか。
じゃあめちゃくちゃ上げてみますが…

ユーミンにしかないパラメータが…

✅ナレーション
ユーミンのSynthesizer Vにしか搭載されていない
特殊なパラメータがあるという…

原口沙輔さん解説
1番上なんですけど、
「90s」これ90年代って書いてある。
90年代のユーミンの声です…

~(90年代の歌声0%150%を実演)から

✅安田さん質問
ユーミンさんにはこれを自分で見比べた時に
自分で感じるところがやっぱあるんですか?


(ユーミンさん)
そうですね。
聴いたことないんだけれど、懐かしい

武部聡志さんコメント
僕こういうの全然わかんないの。
だから今日は目から鱗で…

後でサスケくんに教えてもらおうと…(笑)

村上さんから岡村靖幸さんへAIに関して質問

村上さん質問
岡村さんはAIと音楽の組み合わせとかはどう感じられますか?


(岡村靖幸さん)
あんまり興味ないですけど…

でも、マスタリングで、
自分があんまり強くない、
例えば、ストリングスと管楽器で、
オーボエこれ使った方がいいのかなとか、
フルートで使った方がいいのかな
みたいなのをアドバイスをAIから
もらえるととっても助かる

✅ユーミンさんコメント
岡村ちゃんが興味ないんですけどって
まず言ったのは…

上から目線なんですけれど、
私ぐらいのキャリアと物量がないと
やっても意味がない
と思うんです。

過去との比較とかね。
アート性とかでも、
レディー・ガガやビョークでも無理だと思う


私のキャリアの最高傑作です

ポイント

✅歌詞を全部1文字ずつ打ち込む
1音の歌う長さも細かく設定が必要
生声では歌えないようなスピードも可能
人間の声で重ねるとAIで重ねるのでは違う音に

松任谷由実 特集_AIと生声が共演!?「Wormhole/Yumi AraI」全曲紹介

なぜ旧姓でアルバムをリリース?

ユーミンさんコメント
プロデューサーが
「旧姓知ってるかAとIでできてるんだぞ」っていう…
なんかね、思し召しのような気がしました(笑)

「Wormhole/Yumi AraI

村上さん質問
じゃあ、そういった意味での
コンセプトやテーマというのはどういったところからですか?


(ユーミンさん)
タイトルなんですよ。
Wormhole」というね。

最初、「Wormhole」みんな難しすぎるかなと…
プロモーションのこととかも考えると
間口を広くした方がいいんじゃないかなと
ずっと思ってたんですけれど、

なんか自分の中でも全貌が分かってくると正解だな!!と。

過去と未来が繋がったり、違う次元に行けたりっていう
言い表してる言葉
だと思ってます。

「Wormhole」:異次元をつなぐトンネル

大昔ね、
REINCARNATION」というアルバムを出して、
その時、これ分かんないかな?と思いましたが、
でも、いいやって出しました。

でも、もうみんな知ってるじゃないですか。
普通に輪廻転生ね。

この「Wormhole」も使ってね(笑)

1曲目「DARK MOON」

🎵「DARK MOON」

✅原口沙輔さんコメント
1番インパクトの大きい楽曲
松任谷由実さんの存在感を改めて示すような1曲。

✅武部聡志さんコメント
ユーミンの真骨頂、プログレッシブ

日本ではこういうプログレッシブな匂いのある
ポップス
はなかなか受け入れられなかったり、
少ないが…

このアルバムのコンセプトの
幕開けにふさわしいサウンド感

✅プログレッシブ
従来のロックにクラシックやジャズの要素を取り入れ、
シンセイサイザーなどを利用したもの

2曲目「CINNAMON」

🎵「CINNAMON」

注目
AIと生のメインの歌い分け

3曲目「星の物語」

🎵「星の物語」

4曲目「岩礁のきらめき」

🎵「岩礁のきらめき」

✅原口沙輔さんコメント
リアルな歌声でありつつ
人間ではあり得ない音像や声の重なりが出ている
一人の声にも関わらずデュエットのよう

注目
90年代を強調した曲調と声。

5曲目「天までとどけ」

🎵「天までとどけ」

注目
荒井由実時代を強調した曲と声。

✅安田さんコメント
聴いてる側がとっても楽しく聴けてしまうよな…
いろんな景色が見えて


なんかもそうですし、
その歌い方もそうなんでしょうし。

やっぱどの世代も好きな方々が
たくさんいらっしゃるじゃないですか。

あの時代が好きだったっていう方もいらっしゃって。
で、今もやっぱ僕はご活躍されてて、
それが好きっていうような…

その時代を一緒にこう旅してる感じができる
アルバムで心地よいです

✅ユーミンさんコメント
ベストアルバムって年代でこう縦に切るじゃないですか。
「Wormhole」は横切りの、今までやってきたエッセンスを
全部合わせたようなベストアルバム
になってると思います。

特にね、
荒井由実時代はファンがガチガチで…(笑)

荒井由実はよかったのに…」など
批判されるのが大変でした。

6曲目「烏揚羽」

🎵「烏揚羽」
・伊藤潤二原作アニメ「クリムゾン」主題歌。

✅武部聡志さんコメント
これはユーミンでないと作れないくらいのコードワーク。

Aメロから2小節ずつ転調していく複雑な転調

ユーミン史上最強の転調

✅松任谷正隆さんコメント
サビがなかったんで、
サビを僕が書いたんです


そしたらそれが気に入らなくて。
で、本人が書き直したんです
ね。

で、作ってるうちになんか
「桜が舞い散る」みたいな、
キーワードが出てきて。

怪しげな曲になっていったんだと思います。

(スタッフさん)
転調はもともとですか?


(松任谷正隆さん)
元々です

でもね、彼女は割と得意なやつで、
「COBALT HOUR」「中央フリーウェイ」もかな。
ああいう転調は得意ですよね。

✅ユーミンさんコメント
譜面から始めたわけじゃなくて、
イメージしていることをいじくってやってて、
これ記録しておかないと」っていう感じのもの。

だからなんかね、曲作ってる時はね、
理系なんじゃないかな」って思うわけ、
イメージしてることを実験はしていってていうように…

武部聡志さんコメント
かなり高度な転調なんです
メロディはすごく自然に聞こえます

(ユーミンさん)
メロディが先に作っているから、
コードはあくまでも後です…

✅「中央フリーウェイ」の転調

(ユーミンさん)
ここで転調してるって初めて聞いた(笑)

安田さん質問
ユーミンさんの中で、
転調していく感覚っていうのは、
自分が追っかけたくなるメロディラインが、
たまたまそこにいるという感じなんですか?


(ユーミンさん)
それはね、声から来てるかもしれないです。

倍音がすごく多いんで、
普通だったらそこに行かないんだけれど、
頭の中でなってるので…

✅倍音
音程を決定する周波数(基音)に対して
2倍、3倍などの整数倍の周波数のこと

7曲目「小鳥曜日」

🎵「小鳥曜日」

✅原口沙輔さんコメント
歌がメインになる構成の楽曲。

声が中心で、伴奏がそれを支える形となっており、
今回のアルバムコンセプトが引き立つ楽曲

✅原口沙輔さん松任谷正隆さんへ質問
他のアルバムとは雰囲気の違う曲調ですが、
どういった位置付けなのでしょうか?

この曲調やアレンジメントは
アルバムコンセプトとどう結びついているのでしょうか?


(松任谷正隆さん)
僕の中では繋がってるんですけど。

小鳥が住んでる世界と、
その人間が見てる時間の範囲


時間の範囲の違いみたいな。

過去と未来がなんか分かり合いたいじゃないですか。
そういう希望っていうか。

未来から過去はわかるけど、
過去から未来はわからないですからね。
そんな願望です。

由実さんはなんて言うか、わかりません(笑)

ザキヤマさんコメント
正隆さんもその詳細は自分で考察するんですね。
ユーミンさんの曲は直接聞いてこないとか…

(ユーミンさん)
そうですね。

小鳥曜日」に関しては
私のあまり何も考えずに作ってますね。

決めるっていうこともなく
サビが必要だなって思って、
別のなんか心に残っていた

サビの「ピウピウ」っていうところは
バッハのインヴェンションみたいな曲なんですよ。
それをガシャってくっつけてく感じ。

(村上さん)
めちゃめちゃ考察されてましたよ


(ユーミンさん)
(正隆さんは)曲に接してる時間が圧倒的に長い…

✅インヴェンション
作曲の予備知識を得るための
明瞭な方法
を示す正しい手引き。

8曲目「LET’S GET IT STARTED!」

🎵「LET’S GET IT STARTED!」

✅注目
AIと生のメインの歌い分け

9曲目「Let It Rain」

🎵Let It Rain」

✅注目
メインはほぼ生歌

10曲目「文通」

🎵「文通」imase×松任谷由実
・リレー形式で作詞作曲したimaseとのコラボ楽曲

Synthesizer Vを使うことでの変化は?

(松任谷正隆さん)

彼女のプレッシャーは減ったと思う

なんかクリエイティブでないプレッシャー
今まで僕はあったような気がする。

で、あと変な話だけど、
Synthesizer Vを使うことによって
歌詞も変わってく
っていうこともあって…

これってちょっと難しいですよね。
だって若い声に今の歌を歌わせたくないだろうが、
若い声だったら若い声なりのことを
歌わせたい
みたいなのあるじゃないですか。

だから
Synthesizer Vが歌詞にまで影響してきた
っていうのはあります。

次は曲も変わってくるかもしれない

✅原口沙輔さんコメント
歌声から作詞とか楽曲自体に影響するっていう

それこそボーカロイドが先に音声があって、
それを購入して、声に影響されて
曲を作る人がいたりとかっていう文化
なんですよ、元々。

というのを松任谷さんもおっしゃっていて。

やっぱりそうなるんだ!!」っていう
ところもありますし、

歌声から影響されて、
この歌詞はちょっと昔のユーミンさんは
歌わないんじゃないか
とかっていう風に
考えるようになっているっていう
影響を及ぼしているのが
すごい面白いなと思いました。

✅SUPER EIGHT 丸山さん質問
今回のアルバムの中でも、
やっぱり過去の自分に書くじゃないけど、
そういったようなニュアンスもあったのですか?


(ユーミンさん)
私は作曲がしたくてこの世界に入ったので、
10代の時にね、誰が歌うともなく作ってたんですよ。

その初期衝動が戻ってきた感じです

✅ChatGPT
大量のデータを学習して
自然な言語表現を生成するAIサービス

ユーミンさんコメント
最初、作詞はChatGPTでやってみたんですよ。
バースの部分を入れるとしますね。
そして、そのあとに
その文字数で、その世界観でやってみて」と。

すると、過去の私の作品を学習しているから、
それ風のことが出てくるんです。

でも、自分ではもう既に手を染めたことなので、
全く新鮮に思えない


でも、面白いから、
じゃあ夏目漱石風にしてくれとか、
宮沢賢治風にしてくれって、とやると
それっぽく出てくるですよ。
すごい!。
でも面白かっただけで繋がらない。

改めてね、
0を1にするのは人間だっていうことを
目の当たりにしました。

11曲目「ひとちがい」

🎵11曲目「ひとちがい」

12曲目「そして誰もいなくなった」

🎵「そして誰もいなくなった」

✅注目
生歌とAIの完全デュエット
AIと人との共生がテーマの曲。

武部聡志さん、岡村靖幸さん、原口沙輔さんコメント

✅武部聡志さんコメント
AIの話に割とフォーカスがいってるんですけど、
最初から最後までコンセプチャルだと思うんですね。

僕らが大好きな、
ピンクフロイドじゃないですけれど、
そういうプログレッシブな匂いがあって

新しいユーミンのコンセプトアルバムっていう、
受け取り方をしました。

1曲目「DARK MOON」とか、
普通だったら、
1曲目に持ってこないようなダークな曲なんだけど、
僕らにとっては本当に「もうこれだよね!」っていう。

で、最後の「そして誰もいなくなった」、
なんか世界が終わって、1人なんだけど、
孤独なんだけれど、そこになんか毅然と立ってるのが、
ユーミンそのもの
みたいな感じがするんですよ。

だから、なんかすごくこうね、
最後の曲は、僕、泣けました

✅岡村靖幸さんコメント
いや、よかったです。
とってもユーミンさんらしい、
ユーミンさんのファンの方々が
とっても待ってたっていう感じ

ユーミンさん節の曲がたくさんあって、
とてもいいなと思いました。

歌詞も聴いたことないような
歌詞もたくさんありましたし…

(ユーミンさん)
例えば?


(岡村靖幸さん)
小鳥曜日」なんて、
今までで言えばとても実験的に聞こえたし、

かと思えば
1番最後の12曲目「そして誰もいなくなった」、
実験的っていうか、いわゆるこう、シリアス…

(ユーミンさん)
うん、ディストピアをかいています

だから、
1曲目と12曲目で1つのトータルアルバムとして完成する

今はトータルアルバムって、
そういう風に聴く人も少ないかもしれないけれど、
あれ、通して聴いてもらえると、
やりたかったことがわかる

✅原口沙輔さんコメント
そもそもですけど、
Synthesizer Vというソフトは、
普通に購入しても、
自分の声を入れたりとかで学習させたり、
まだできない
んです。

だから、もう本当に貴重なんですよ

ユーミンさんと松任谷さんと、
もう数名しか持ってないデータなので、

まず、ここで流せることが貴重ですし
これをパッケージ化して販売するっていうのが
結構主流ではあるんですよ。

というのをせずに
アルバムに落とし込んだっていうのが
本当にすごいなと思います。

作品にして世に出して、
音声自体は公開しない
っていう
選択をしたのがもう本当に
すごい完璧だなと思っています。

(ユーミンさん)
そうなんだぁ💛

✅村上さん
ここまでやっちゃったら、
またその先、コンサートツアーは控えているとはいえ、
まだまだ好奇心が…

(ユーミンさん)
きっとそこの場にったら
次の世界が見えると思います

✅武部聡志さんコメント
キャリア50年を超えてね。
こういうトライができて、こういうアルバムが
作れるっていうのは本当にすごいことだと、

やっぱり近くにいてもすごく感じますし、
後輩アーティストにとっては
本当に刺激的なアルバムだと思います

次回予告

【次回予告】
🎵2025年11月9日(日) よる11時15分~
プロが選ぶ最強メロディー BEST20

アーティストゲスト
石崎ひゅーい、斎藤宏介(UNISON SQUARE GARDEN/TenTwenty)
熊木幸丸(Lucky Kilimanjaro)


トークゲスト
高橋茂雄(サバンナ)、佐々木久美、佐野晶哉(Aぇ! group)

終わりに


「松任谷由実 特集!!」
ありがとうございます!


何か誰もやってないことをやるべき
からの音楽とAIの組み合わせ
レジェンドのユーミンさんが
どんどん新しいことに挑戦する姿勢に
大変刺激を受けます。
(超大物アーティストは
AIを嫌がるのかなと思ってました、すみません)

「喜んで被験者になろうと…」
ほんとかっこよすぎます。




【印象に残った言葉など】
・「Call me back」
・Synthesizer V
・AIの進歩が異常すぎるぐらい異常
・そこには本当に荒井由実があった
・違う時間軸
・私はいつも機嫌がいいですよ(笑)
・第3のユーミンの声を生成
・定位(音源における音の位置)の考え方
・ボーカルに関しては10倍ぐらいかかってる
・時空を超えてセッション
・何か誰もやってないことをやるべき
・燃えるタイプの方
・喜んで被験者になろうと
・特殊なパラメータ
・キャリアと物量がないとやっても意味がない
・レディー・ガガやビョークでも無理
・私のキャリアの最高傑作
・生声では歌えないようなスピードも可能
・人間の声で重ねるとAIで重ねるのでは違う音に
・「旧姓知ってるか?AとIでできてるんだぞ」
・Yumi AraI
・「Wormhole」異次元をつなぐトンネル
・「REINCARNATION」輪廻転生
・ユーミンの真骨頂、プログレッシブ
・その時代を一緒にこう旅してる感じ
・今までのエッセンスを全部合わせたようなベストアルバム
・「荒井由実はよかったのに…」
・ユーミン史上最強の転調
・コードはあくまでも後
・倍音
・時間の範囲の違い
・過去と未来がなんか分かり合いたい
・由実さんはなんて言うか、わかりません(笑)
・インヴェンション
・クリエイティブでないプレッシャー
・歌声から作詞とか楽曲自体に影響する
・作曲がしたくてこの世界に入った
・その初期衝動が戻ってきた
・ChatGPT
・面白かっただけで繋がらない
・0を1にするのは人間
・ピンクフロイド
・ディストピア
・トータルアルバム
・作品にして世に出して、音声自体は公開しない
・きっとそこの場にったら、次の世界が見える

以上。



■「Synthesizer V」
全く知らないツールでしたのでとても勉強になりました。
進化はすごいですね。

原口沙輔さん解説とても分かりやすい
ありがとうございます。
生声では歌えないようなスピードも可能」は衝撃でした。



■ユーミン史上最強の転調
転調についてもとても勉強になりました。
「烏揚羽」転調祭でしたね。
武部聡志さん、ありがとうございます。



ユーミンさんと松任谷正隆さんのご関係
朝のお茶の時間もそうですし、
旧姓知ってるか?AとIでできてるんだぞ」も
最高に素敵です。

正隆さんの
・時間の範囲の違い
・過去と未来がなんか分かり合いたい
などの言葉のチョイスも刺さりました。


ユーミンさん、
かっこよすぎます。
ほんとありがとうございました。
(学生の頃ユーミンさんの「オールナイトニッポン」にハマってました。
「真夏の夜の夢」の曲を使ったコーナーとか印象的です
ムカデの話、一生忘れません。今も現役、感謝でございます。
いつも素晴らしい楽曲をありがとうございます!)



「EIGHT-JAM(エイトジャム)」さん、
いつも素敵なゲスト、素敵なテーマ、楽しい番組、誠にありがとうございます!!



-EIGHT-JAM(関ジャム)